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「スマホ脳」を理系大学生が内容を要約まとめてみた!&読んだ感想【なぜ小さなデバイスに依存してしまうのか?】
皆さん、スマホはお持ちですか?おそらくほとんどの人がお持ちなのではないでしょうか。
スマホは僕たちの生活を非常に便利にしてくれるツールであり、非常に有益なものです。スマホが開発されてから数十年ですっかり僕たちの生活に溶け込みましたよね!
しかし、何事もメリットだけではありません。
最近では、電車の車内や街中を歩いている人を見渡してみるとスマホを凝視している人を多く見かけますよね。もちろん、スマホで授業を受けたり、仕事の連絡などもあるので一概に悪いとは言えませんが。
さすがに歩きながらスマホを弄るのは危ない気がします(笑)
さらにスマホはあんなに小さなデバイスなのに、良くも悪くも脳へかなり大きな影響を与えることが最近わかってきました。
今回はそんなスマホの脳への影響や脳へのデメリット、なぜスマホ脳になってしまうのか?などが書かれている本、アンデシュ・ハンセン著の「スマホ脳」について読みましたので、その感想とまとめをしていきたいと思います。
今回の投稿はこんな人向けです。
- 「スマホ脳」を買うか迷っている人
- スマホをやめたいけどやめられない人
- 子供がスマホばかり触っていてやめさせたい人
- 脳がどのようにしてスマホ依存になるか知りたい人
ではさっそく行きましょう!!
「スマホ脳」の感想
まず『スマホ脳』を読んだ感想を書いていきたいと思います。
結論から言うと、「めちゃくちゃ面白かった」っていうのが率直な感想です(笑)
めちゃくちゃアバウトですよね(笑)。わかります。
繰り返しになりますが、本書にはスマホが私たちの脳に及ぼす影響だけでなく、脳が太古の昔からあまり変化していないことや、運動が脳に及ぼす影響など、様々な脳に関する情報が書かれていました。
また、私たちの脳が太古の昔から変わっていないといえる証拠を示す例や、スマホが脳へ及ぼす影響の例などが詳しく書かれており、一つ一つの情報が私にとっては非常に興味深くて非常に面白かったです!!
今度、人間の進化に関する本でも読んでみようかな…。
また、新書なのでそれほど長くなく、本を読むのが苦手な人も読むことができると思います。
では次に要約というか興味深いなと思ったものをかいつまんで書いていきたいと思いますのでネタバレが嫌な方はブラウザバックしてください!
「スマホ脳」の要約まとめ
本書で何度も何度も繰り返されていたことは、「人間の脳は現代社会に適応していないそれゆえにスマホ脳になってしまう」ということでした。
人間の脳は現代社会に適応していないというのはどういうことでしょうか??
この答えは、人間が今まで生きてきた時間にあります。
人間は、この世界に存在してから99.9%の時間を狩猟と採取で生活をしてきました。
つまり、人間の歴史の大半で動物を狩ったり果物を採取し、それに適応するように脳も進化させてきました。そして残りの0.1%の時間で電気や水道、テレビ、そしてスマホが誕生したわけです。
こう考えると、長らく狩猟と採取で生きてきた人間の脳が0.1%の現代社会に適応できるわけないですよね。
例えば、スマホが一般向けに販売され始めたのは1994年夏ごろでした。ちなみにこの時に発売されたスマホは当時IBMのエンジニアであったフランク・J・カノーヴァという人物が開発した「Simon」 という名前で販売されたようです。
つまり、世界で最初のスマホが発売されてからまだ28年(2022年現在)しか経っていないんですよ!人間の歴史は新人類が誕生してからですらおよそ20万年前と言われていますから、いかにスマホなどのハイテク機器が開発されたのが最近なのかがわかります。
では人間の脳が現代社会に適応できていないことを示す証拠はどのようなものがあるのか、ということを具体例を出しながら示していきます!
人間の脳が現代社会に適応していない例
現代人に肥満が多い
現代人の肥満率が急増していることはご存じでしょうか?
よくテレビなどでも肥満が問題になっていることが報道されていたり、街中でもかなり太っている人をを見かけませんか?
現代人に肥満が多いのはまさに「人間の脳は現代社会に適応していない」 ことが原因です。
理由を説明するために、少し物語風の例を示します。
想像してみてください、昔の人類は狩猟と採取をして暮らしていました。そこである日、ものすごくおいしそうな木の実がなった木を見つけた二人の人がいました。
その二人の名前は太郎と次郎とします。
太郎は木の実を一つ食べて、残りの木の実は食べずにその場を去りました。
次郎は全部の木の実を一つ残さず食べてしまいました。
さて、どちらが生き残る確率が高いでしょうか?
答えは「次郎」です。
理由は、太郎のように一つだけで満足してほかの木の実を食べずにしておくと、次の日にはその木の実は誰かに食べられていたりするかもしれないですよね。
とくに、昔はほかの動物との生存競争が激しかったため、いつどれくらいご飯を食べられるかななんてわからない状況です。
つまり、次郎のようにできるだけ多くの木の実(カロリー)を食べることで次いつ食事にありつけるかわからない状況を乗り切っていたわけです。
しかし現代社会はどうでしょうか?
今おなか一杯に食べなくても現代ではいつでもどこでも高カロリーな食べ物を無限に食べられますよね。
しかし、人間の脳は現代社会に対応できておらず生き残るために「高カロリーのものをいっぱい食べろ」と命令してくるわけです。
その結果、現代人は肥満になっていってしまうのです。
緊張すると余裕がなくなる
皆さんは緊張すると鼓動が早くなったり、ほかのことが手につかなくなったりしませんか?
僕はめちゃくちゃ緊張する性格なので頻繁に緊張しては上記のような状態になっています(笑)
このような状態もすべて我々人間の脳が太古の昔のままであるということが理由です。
ではなぜ鼓動が早くなったり、ほかのことが手につかなくなったりするのでしょうか?
それは、すべて脅威に対する防衛反応です。
私たちの祖先は、非常に長い期間を食うか食われるかの生活をしてきました。
脅威となる動物が現れると目の前の捕食者の動きを観察するために脳の今関係のない思考を停止させ、体をすぐに動かして逃げれるように鼓動を早めて全身に血液を巡らせるように脳が指令を送るのです。
この時の脳の機能が現代人にもそのまま脈々と受け継がれているのです。
つまり、面接などで緊張するのは我々の脳が目の前の面接官を「捕食者」だと認識して、先ほど述べたような指令を脳が発するために、鼓動が早くなり、 ほかのことが手につかなくなるのです。
昔のように捕食者がいない現代社会ではこの緊張して鼓動が早くなり何も手につかなくなる状況というのはあまり好ましくないですよね。
緊張のしすぎで本来の自分の力を発揮できなかったという経験をされた方も多いのではないでしょうか?
これもまた、現代社会に脳が適応できていない証拠だと、本書「スマホ脳」では語られていました。
以前に本ブログで緊張しないための方法を紹介させていただきましたので是非そちらも併せてご覧ください!
我々がスマホ脳になってしまう理由
さて、ではなぜ私たちはスマホ脳になってしまうのでしょうか?
この理由もまた、私たちの脳が現代社会に適応できていないということになります。
その理由は、スマホアプリが私たちの太古の昔から存在する脳の機能を刺激するように作られているからです。
さらに詳しく言うと、刺激された脳の機能から放出される脳内物質「ドーパミン」を利用するようにスマホアプリは作られています。世の中の天才たちはこの「ドーパミン」をうまく放出させて自分達のアプリを使ってもらっているというわけですね。
では、ドーパミンとはどういう物質なのでしょうか?
人間の原動力である「ドーパミン」
皆さんも「ドーパミン」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
ドーパミンは脳の快楽物質であるとよく言われていますが、実はそれ以外にも重要な機能があるのです。
その機能は、「何に集中するかを選択させる」というものです。つまり、私たちが何をして何をしないかを決める際に働いているのがドーパミンという脳内物質なのです。
例えば、目の前にあなたの好物の食べ物が出されたとします。
この時、あなたはの脳内は好物の食べ物を見ただけでドーパミンが放出され、その好物に集中して脳内に「食べろ、そうすれば満たされるぞ」という期待をさせます。
そして、あなたはそのドーパミンの声に従って好物の食べ物を食べるのです。
ここでポイントなのが、好物を食べて満足感を得ているときは、ドーパミンではなくエンドルフィンという物質が作用しているという点です。
つまり、ドーパミンはあなたを満たす物質ではなく、あなたを「期待させる」物質なのです。
ドーパミンによって人間の脳は「新しい物好き」になっている
私たちの脳は、脳内の報酬システムを何百万年もかけて進化させてきました。
その一つの例が「脳は新しい物好き」という性質です。
ではなぜ脳が新しいもの付に進化したのかというと、周囲の環境の情報を次から次へと脳へと入れ、理解すると「あそこには猛獣がいる」「あそこには獲物がいる」といったよなことを知ることができ、生存の可能性を上げることができるからです。
この機能を制御しているのもドーパミンです。
「あそこに猛獣がいるかも」「あそこに獲物がいるかも」というように期待をさせ、周囲への興味を掻き立てることで環境を理解し、生存率を上げる。このようにして我々人類は今まで生きてきました。
このようなシステムが現代人の脳にもいまだに組み込まれています。
しかし、このシステムは何百万年もかけて進化してきたものであり、超絶的な速さで進歩を遂げた現代社会には到底適応できるものではありませんでした。
つまり私たちの脳は現代社会を生きるためにプログラムされているわけではなく、いまだに狩猟生活を生きるためにプログラムされているのです。
そのシステムをうまく利用し、最も現代人の生活に入り込んだものがスマホです。そうして私たちの脳はスマホ脳に作り替えられてしまうのです。
スマホやアプリを開発した人たちはすごいですよね。。。「スマホ脳」を読み返すたびに改めて彼らの天才さを実感します。
私たちの脳をハックしたスマホ
スマホやアプリはどのようにして我々人間の脳からドーパミンを放出させているのでしょうか。例えば、インスタグラムで友達の投稿を見るときにどこでドーパミンが放出されていると思いますか?
答えは、インスタグラムを開いてロードしている時間・次の投稿を見ようとスライドした時です。
先ほどから述べている通り、脳は生存のために常に新しい情報を求めています。
そして次の情報を得ようとしているときにドーパミンが放出されます。
つまり、投稿をロードしている時間、次の投稿を見ようとスライドしているときにドーパミンが放出され「次はどんな投稿だろう」という期待をさせるのです。
このことから、実は人がインスタグラムやYouTubeを見ているとき、「今見ている」ことよりも次の投稿に夢中になっているのです。TikTokやインスタ、YouTubeのショート動画が人気なのはこういうことが理由なんですね。
また、LINEなどのメッセージアプリではスマホの画面に通知が来ますよね。これもドーパミンの機能をうまく利用していています。
通知音が鳴ると私たちの脳は「大切な通知かもしれない」「気になるあの子からかもしれない」という期待をします。そして、スマホが気になって仕方なくなってしまい、今やっている作業を中断してまでスマホを触ってしまうのです。
アプリを開発する会社は、利益を出すために私たちの集中力をスマホに向けるスマホ脳を作る必要があり、見事それに成功したのです。
スマホ脳からの脱却
さて、これまでは私たちの脳がはるか昔から進化していないということと、それをうまく利用してスマホアプリが開発されているということをお話してきたわけですが、本書ではスマホ脳から脱却するための方法も書いてありました。
その方法のヒントは、先ほどから何度か述べている「 脳がはるか昔から進化していないということ 」に隠されています。
適度な運動
スマホ脳から抜け出す方法として最も効果的かつ最速の方法が「運動をすること」です。
なぜ運動が効果的な方法なのかというと、私たちの先祖が体を動かしてきたからです。
体を動かすということは、獲物を狩ったり敵から逃げるときです。その状況下では集中力が非常に必要になります。
つまり、体を動かすと集中力が上がるようなシステムが私たちの体はプログラムされているのです。
この昔からのプログラムを使わない手はないですよね。
ではどんな運動をすればよいのでしょうか?
この答えを探すために様々な研究者たちが色々な研究を行ってくれました。
その結果によると、ありとあらゆる運動(ヨガ、ランニング、ウォーキング、筋トレなど)が私たちの脳にいい影響を与えることが分かったのです。
特に運動により改善されたのは知能的な処理速度と集中力だそうです。
効果的な運動時間は、週に2時間程度だそうで、しかも一気に2時間やる必要はないので誰でも出来そうではないですか?
下記の投稿で「運動」が脳へ及ぼす影響やどれくらいの頻度、強度で行えばいいかを詳しく書いてあるので合わせてお読みください。
スマホとの距離を物理的に遠くする
次に効果的な方法が、スマホと自分の物理的な距離を離すということです。
ある研究では、スマホが机の上にある人はない人に比べてかなり集中力、記憶力ともに減少するという結果が報告されています。
また、スマホを別の部屋へおいて学習や仕事をしたほうが集中力と記憶力はそうでない人に比べて改善するみたいです。
つまり、仕事や勉強をする際は作業する部屋にスマホを持ち込まず、玄関やリビングなどに置いておくということです。
僕自身、「スマホ脳」を読んでからブログを書く時や読書をするときは近くにスマホを離すようにしたら、集中力が非常に長く続きました。
まとめ
今回の記事では「スマホ脳」を要約してみました。
簡単にまとめると
- 私たちの脳は昔からそれほど進化していない、それゆえに現代社会に対応できていない
- スマホアプリは私たちの脳のシステムを利用してより多くの集中力を奪っている
- 奪われた集中力を取り戻すためには1週間に1時間程度の運動が効果的
です。
非常に面白くてためになる本でした!!ぜひ皆さんも読んでみてくださいね!
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